決算書の基礎となる8つのポイント
1-5.貸借対照表ってどんなもの?
貸借対照表は決算日における会社の財政状態を、どのようにお金を調達し、どのように使ったかを表します。個人に置き換えると、借金したり働いたりして得たお金を、貯金したのかモノを買ったのかを表すことになります。
貸借対照表は決算日における会社の財政状態を表します。財政状態などというとややこしいですが、要はどのようにお金を工面して、そのお金をどう使ったかがわかるということです。
どのようにお金を工面したかは、貸借対照表の右側に表れます。工面した方法は、人から借りたお金、自分がこれまでに稼いだお金の2つに分けられ、その合計が表示されます。
お金の使いみちは、貸借対照表の左側に表示されます。工面したお金と使ったお金は同額のはずだから、貸借対照表の左右は同額になります。ですから貸借対照表のことをバランスシートといいます。
これをあなたの生活に置き換えて考えてみましょう。今日は、3月31日。恒例となった年に一度の財産チェックの日です。あなたは自分の財産を貸借対照表にまとめてみます。
最初に右側をまとめます。ここには自分が生活につぎこむお金をいくら調達したかを表します。
人から借りたお金は、自動車購入時のローン残高とクレジットカードの未決済分です。自分がこれまでに稼いだお金とは、手取りの給与から生活費を差し引いたお金の蓄積です。
つづいて左側には、預貯金。それからこれまでに買った車、パソコン、ビデオカメラ、時計、オーディオセット、ジュエリーなど、個人財産が入ります。
これがあなたの財産です。まとまったところで考えてください。財産はどういう状態がいちばん好ましいでしょうか。
昔から「借金も財産のうち」なんて言いますが、実際には、借金が増えたからといってうれしくはありません。貸借対照表の右側が増えるなら、自分で稼いだお金がたまって増えていったほうがいいでしょう。
では、どうして借金が増えるのでしょうか。それは使ったからなのです。貸借対照表の左側に上がった車、パソコン、ビデオカメラ、時計、オーディオセット、ジュエリー…。こうしたものが増えたから、工面しなくてはならないお金も増え、借金しなくてはならなかったのです。
賃借対照表は会社がどのようにお金を工面して、どう使ったかを表す。