損益計算書の極意
2-1.損益計算書のどこが大切なの?
損益計算書に並んでいる5つの利益のなかで一番大切なのは「経常利益」。この数値は経常的な営業活動と財務活動を通じて、会社がどのくらい儲かっているのかを示しています。
損益計算書には5つの利益が並んでいます。
まずは「売上総利益」で、これは<売上高-売上原価>で算出できます。
次に<売上総利益-販売費及び一般管理費>を計算すると「営業利益」が求められます。この販売費及び一般管理費とは、たとえば社員の給料や社屋の家賃、商品を広告・宣伝するための費用など、営業に使われた費用のことを指します。つまり、本来の営業活動で会社がどのくらいの利益をあげているのかがわかります。
そして<営業利益±営業外損益>を計算すると、最も大切なポイントである「経常利益」が求められます。営業外損益とは営業活動以外、主として財務活動で発生した収益や費用のことで、具体的には受取利息や有価証券の売却益などを営業外収益、支払利息などを営業外費用として扱います。
営業及び財務活動による通常では起こり得ない損益は特別損益と呼ばれ、台風や地震などの自然災害による損害や子会社の倒産による損害等が含まれます。<経常利益±特別損益>を計算したものを「税引前当期純利益」といいます。そして<税引前当期純利益-税充当額>で最終的に残る「当期純利益」が求められます。当期純利益も「自己資本」としてプールされる大切な利益であることを忘れてはいけません。
では、なぜ当期純利益ではなく経常利益が最も重要なのでしょうか?最終的な当期純利益には臨時的な「特別損益」が加減算されていることに着目してください。
つまり、特別損益によって、会社が儲かっているように錯覚したり、反対に業績が悪く見えたりする可能性があるのです。経常利益に注目すれば、会社が通常の経営を行っているときにどの程度儲かっているかが一目瞭然だし、業績をいくつかの期にわたって比較する際にも判断を誤ることが少なくなります。儲かっている会社は経常利益の数値が高いことを頭に入れておきましょう。
会社が儲かっているかどうかは、
経常利益を見ればわかる