キャッシュフロー計算書の極意
3-1.キャッシュフロー計算書を読むコツは?
期首にいくらのキャッシュがあって、期末にいくらのキャッシュが残っているかを示しているのがキャッシュフロー計算書です。キャッシュがどうして増えたのか、減ったのかを教えてくれます。
キャッシュフロー計算書は、会社のキャッシュの増減を一会計期間で示したものであり、キャッシュとは現金及び現金同等物のことです。キャッシュフロー計算書で、会社にどのくらいのお金があるかがわかります。
商品やサービスの提供とその売上代金の回収には時間差があります。つまり、どんなにたくさんの売上をあげても、その回収に長い時間がかかって手元のキャッシュが増加しなければ、借入金を返済したり、商品の仕入代金を支払うためにまた資金を借り入れなくてはならず、会社の資金繰りは苦しくなります。
キャッシュフロー計算書からはこのような危険を読み取ることができるのです。
キャッシュフロー計算書の基本的な構造は、〈期中のキャッシュの増減額+期首のキャッシュ残高=期末のキャッシュ残高〉ですが、キャッシュをどのように使ったかをわかりやすくするために「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」の3つに分けています。
これによって会社が営業活動でどのくらいの資金を獲得し、その資金をどのように使ったのかを読み取ることができます。
営業キャッシュフローは商品の販売やサービスの提供など、会社が日常の営業活動から得たキャッシュ量を表しています。つまり、その会社は1年間に本業でどのくらいのキャッシュを生み出せるのかがわかる、大切なキャッシュフローです。
投資キャッシュフローでは事業を維持するために必要な資金を表します。主に固定資産の取得や売却がここに入ります。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して「フリーキャッシュフロー」が求められます。
財務キャッシュフローには会社の資金が不足したときにどのように資金調達を行い、どのように返済したかが示されています。
キャッシュフロー計算書は、キャッシュがどうして増えたのか、減ったのかを教えてくれる