キャッシュフロー計算書の極意
3-2.フリーキャッシュフローが最も大切?
フリーキャッシュフローとは会社が自由に使えるキャッシュのことで、キャッシュフロー計算書で最も大切なキャッシュフローです。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して求められます。
フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して求めます。投資キャッシュフローは普通マイナスの値となり、会社が営業活動で稼いだキャッシュから、現在の事業を維持するために投資しなくてはならない資金を差し引いていることになります。
フリーキャッシュフロー、つまり自由に使える資金があってはじめて借入金の返済や預金の増加が可能になるので、フリーキャッシュフローは多ければ多いほど経営状態は良好だといえます。
反対にフリーキャッシュフローがゼロもしくはマイナスの場合、会社には自由に使える資金がなく、会社を維持するためには資産の売却や金融機関からの借入れなど、資金を調達することが必要となります。
フリーキャッシュフローを増やすためには営業キャッシュフローを増加させるかもしくは投資キャッシュフローの差し引き分を小さくすればよいのです。
現事業を維持するためには、設備投資を行わないことはありえませんが、できるかぎり固定資産の購入をコントロールすることがフリーキャッシュフローの増加につながります。
少なくとも5年平均でフリーキャッシュフローがプラスとなる範囲、つまり営業キャッシュフローを超えない範囲で設備投資を行うべきといえます。
フリーキャッシュフローは多ければ多いほどいいですが、業績の良好な会社でも数年に一度の多額の設備投資を行う場合、ある年の投資キャッシュフローのマイナスの値が大きくなり、それに伴ってフリーキャッシュフローの値もマイナスとなることもあるから注意が必要です。
効果的な設備投資が行われれば次の期には売上が増加したり、経費の削減が行われたりして営業キャッシュフローが増加し、その結果フリーキャッシュフローも増加します。キャッシュフロー計算書は5期分くらいを見比べて、会社の経営状態を判断する必要があると考えましょう。