決算書の基礎となる8つのポイント
1-6.決算書は誰が使うものなの?
決算書を読めば会社の経営状態を判断することができるから、銀行が融資の判断材料にしたり、投資家が投資の際に活用することもあります。しかし、決算書を最も活用しなくてはならないのは経営者やビジネスマンなのです。
作成された決算書を使うのはどういう人か考えてみましょう。
まず、決算書が必要になるのは、会社が銀行からお金を借りるときです。銀行は会社の信用分析を行うために決算書の提出を求めます。つまり、銀行は決算書をみて、貸した資金を返済する体力のある会社かどうかを判断し、資金の融資を行います。
営業担当者も決算書を読まなくてはならないときがあります。これは得意先の会社の経営状態を分析し、商品を売ったら代金を支払ってくれるかどうかを判断する場合です。この一手間で、商品は売ったが代金は支払われないという最悪の状況を未然に防ぐことができます。
さらに一般の投資家も決算書を利用します。株の購入を検討している会社の決算書をみて、これから儲かる会社かどうか判定する材料とするのです。
最も決算書を活用しなくてはならないのは社員です。社内会議でいきなり決算書をみせられたけど、何が書いてあるのかさっぱりわからなくて困ったという話を友人から聞いたことはないでしょうか。
決算書の数字から今期の成績はどうだったかを確認し、さらに成績を上げるためにはどうしたらいいかを考えないかぎり会社は成長しません。つまり、自社の決算書は会社の業績を改善するためのすぐれたツールなのです。決算書の読み方を理解して、会社の業績アップに積極的に貢献しましょう。
今まで決算書をみるのは社長や役員の仕事と考えられてきました。しかし、今後は社員一人ひとりが決算書から自社の経営状態を判断し、業績アップの施策を考え、実行する姿勢が成長する会社の条件となるでしょう。
では、自社や得意先、投資先の決算書はどこで手に入れられるのでしょうか? 会社の広報部に問い合わせてもよいですが、多くの会社の決算書はインターネットのウェブサイトや新聞公告で手軽に入手できます。
これからは社員が決算書から
会社の状態を判断できることが大切