決算書の基礎となる8つのポイント
1-7.利益は何のためにあるのか?
よい会社の条件は、「資金繰りが上手くいっていること」と「利益(儲け)があがっていること」。あがった利益を蓄積すると、借入金が減って現金・預貯金が増えるので強い会社になります。
よい会社の条件は2つあります。1つは、滞りなく販売した商品の代金を回収し、仕入代金の支払を行えること、つまり資金が上手くまわっていることです。
そして、もう1つの条件は会社が儲かっていること、つまり利益が上がっていることです。
ところで、利益が上がるというのはどのような状態でしょうか。利益が上がると借金を返済することができるので借入金が減少します。また、利益が上がれば資金に余裕が生まれ、会社の預貯金が増加します。
利益が上がり、蓄積されれば会社にとって次のようないいことがあります。
まず、緊急の出費に対応できます。例えば、販売した商品に欠陥が見つかり、クレームを受けたときがこれにあたります。欠陥商品を新しい商品と交換するなどの対応が必要となりますが、これには資金が必要となります。もしも利益が蓄積されていなければこのような対応ができず、得意先からさらに信用を失うことになります。
また、赤字になってしまったときにも会社が倒産するのを防ぐために利益を蓄積した資金が役立ちます。
さらに、将来の事業展開のために設備投資を行いたい場合にも、銀行から資金を調達することなく、自社の預貯金で賄うことが可能となります。
これを個人の場合に置き換えてみましょう。会社からもらう給料が増えると、住宅ローンやカードローンを早く返済することができるし、銀行の預貯金も増えていきます。
これが「利益が蓄積される」状態です。その結果、預貯金残高が増えるので病気や怪我などで働けなくなったときにも安心だし、会社をクビになってしまったときでも何とかなります。さらに新たに住宅を購入するときにも預貯金を頭金として使えるので、借金が少なくてすみます。非常にゆとりのある生活といえるでしょう。
つまり利益が上がって蓄積されると会社の資金に余裕が生まれ、安定した会社経営を行えるのです。
会社も個人も利益が必要なのは同じような理由から