損益計算書の極意
2-2.売上って何?
売上とはお客様に商品やサービスを提供したときにいただく代金のことです。会社に入ってくるお金、いわゆる「収益」(営業収益)の基本は売上であり、これがない限り会社は儲からないのです。売上が多いほど会社は儲かります。
お客様に商品やサービスを提供すると売上が上がります。会社本来の営業活動によって稼いだお金が「売上」で、売上の総額は「売上高」と呼ばれ、損益計算書の一番上に記入されています。
例えば1個120円でトマトを販売している会社があるとします。トマトが1個売れるたびにこの会社では120円の売上があがります。そして最終的に9個が売れた場合、この会社の売上高は、120円×9個=1,080円となります。
損益計算書では、この売上高から商品を仕入れるときの代金や販売するために必要な人件費や宣伝費、営業活動以外の損益などを加減して、会社がどれくらい利益を上げたかを導きます。このことからも売上高が会社の最終的な利益の元となる重要な数値であることがわかります
会社に入る収益には財務活動による預貯金の利息や有価証券の売却益など、いわゆる営業活動以外の収益も含まれますが、収益の大部分は本来の営業活動で稼いだ売上によるものです。当然のことながら、売上がたくさん上がるほど利益も大きくなりますから、どんな会社でも毎期「売上高」を増やすことを目標とします。
「じゃあ、売上高がより大きい会社ほどたくさん儲かっているということ?」
そう考えたい気持ちもわかりますが、実際には売上高の絶対額だけを比較して、どちらの会社がより儲かっているかを判断することはできません。
たとえば卸売業のAという会社とサービス業のBという会社の売上高が同じ1,100万円だったとします。A社では販売する商品を仕入れるために1,000万円の費用がかかったとします。お客様にサービスを提供するB社では商品を仕入れる必要はなく、費用は発生しません。売上高は同じでもA社には100万円しか残らず、B社には1,100万円が残ることもあり得るのです。このように売上を上げるために必要な費用は業種によって大きく異なり、売上高と利益は必ずしも比例しないことがわかります。
売上高が増えない限り、会社は儲からない