損益計算書の極意
2-3.売上原価って何?
売上原価とは商品を仕入れるとき、もしくは製造するときにかかる費用のことです。<売上高-売上原価=売上総利益>であり、売上原価が小さければ小さいほど、会社の儲けは大きくなります。
売上原価とは商品を仕入れたり、製造したりするときにかかる費用のことを指します。売上高から売上原価を差し引くことで売上総利益が求められます。
つまり、売上原価を小さくするほど売上総利益は大きくなり、会社は儲かります。したがって売上原価を小さくするために、商品をいかに安く仕入れるかが大切なポイントとなります。
商品を一度に大量に仕入れ、商品の仕入単価を下げる方法がとられますが、これには注意が必要です。せっかく安く仕入れても商品を腐らせたりしてしまっては元も子もありません。商品が腐って売れなくなった場合、その商品の仕入れにかかった費用の分、会社は損をしてしまいます。
ところで、売上た商品の仕入れにかかった費用だけが「売上原価」と呼ばれることに注意しなくてはなりません。
たとえば、1個120円でトマトを販売する会社があるとします。この会社には期首の段階で2個のトマトが商品として存在しました。期中、1個100円で10個のトマトを仕入れましたが、このとき支払った金額は、100円×10個=1,000円となります。期末になって数えてみると3つのトマトが残っていました。つまり、その期には2+10-3=9個のトマトを売上たことになり、売上高は、120円×9個=1,080円と計算されます。
そしてこの場合、売上原価は仕入れたときに支払った1,000円ではなく、売上た個数分の仕入代金である
100円×9個=900円
となります。このように売上原価と売上高は必ず比例の関係にあり、売上高によって売上原価は増減するので、期末にならないと売上原価は算出されません。会社は期末に残っている商品の個数を数えた後、売上原価を算出しています。
この期末に残った商品の個数を数える作業を専門用語で棚卸しと呼びます。
売上原価が小さければ小さいほど、会社の儲けは大きくなる